おすすめの物流コンサルティング会社をご紹介します!
物流を行う企業が抱える課題として、人手不足や在庫管理のリスク、作業効率の低下など、さまざまな課題が挙げられます。これらを解消するためのサポートとして、物流コンサルティング会社の利用を検討している企業やご担当者もいるでしょう。
しかし、物流コンサルティング会社の数は多く、それぞれ得意とする分野や対応方法などもさまざまであるため、どこに相談すればいいかわからないという課題を抱えている方も少なくありません。この記事では、実績が豊富な物流コンサルティング会社を5社厳選し、それぞれの特徴を徹底比較します。
この記事でわかること
- ・物流コンサルティング会社とは何か
- ・物流コンサルティング会社の選び方・おすすめの5社
- ・物流コンサルティングの費用相場
自社に合った物流コンサルティング会社を選ぶための参考にしてください。
物流コンサルティングとは?

物流コンサルティングとは、企業の物流業務が抱える課題を抽出し、解決のための具体的な提案や、その実行を支援する専門サービスです。
対象とする領域は幅広く、倉庫や配送センターの運営効率、在庫管理、輸配送ルートの最適化、物流コストの削減などが含まれます。
物流コンサルティングの目的は、現状の業務フローを分析したうえでボトルネックや無駄を可視化し、企業ごとに最適な物流体制を設計することにあります。
近年では、デジタルトランスフォーメーション(DX)やAI、IoT技術を取り入れた物流改善のニーズが増えているため、IT導入やシステム連携の支援も物流コンサルタントの重要な役割となっています。
上記に加えて、2024年問題への対応やサプライチェーン全体の再設計など、企業の競争力強化に直結する取り組みとしても、物流業界から注目されているサービスです。
企業の物流業務の課題を抽出し、その改善策の提案や実行支援を行うのが物流コンサルティング
物流体制の最適化やコスト削減に加え、DXや最新技術の導入支援も行う
物流コンサルティング会社ができること

物流コンサルティング会社のサービスは、アドバイスにとどまらず、企業の物流に関するあらゆる側面に深く関与し、現場の課題解決から運用体制の整備までを支援します。
現場の課題発見からリスク管理に至るまで、多岐にわたる具体的な支援を通じて、企業の物流を根底から変革し、競争力強化に貢献します。ここでは、物流コンサルティング会社ができることの一部をご紹介します。
現状分析と課題抽出
物流コンサルティングの第一歩は、現在の業務フローやKPIを明確にすることから始まります。
倉庫内のレイアウトや作業工程、在庫の回転率、配送ルート、トラックの積載効率など、さまざまな業務データを収集し、分析することで、非効率な点やボトルネックを数値で特定します。
近年は、WMS(倉庫管理システム)やIoTから得られるリアルタイムのデータも活用することで、従来よりも高い精度で課題を洗い出すことが可能になっています。
属人的な判断に依存するのではなく、データに基づいた評価を行うことで、改善すべき事項とその優先順位が明確になります。
KPIの設定や改善策の立案
課題が明らかになった後は、その解決に向けた具体的なアクションプランや中長期的な物流戦略を作成します。
たとえば、複数の拠点を統合することによる輸送の最適化、適切な在庫配置への見直し、倉庫内作業手順の統一などが挙げられます。
つねに意識されるのは、単に費用を抑えることだけでなく、顧客へのサービス水準を維持し、さらに向上させるという視点からのアプローチです。
第三者の立場であるコンサルタントは、企業組織内の慣習やしがらみにとらわれることなく、企業にとって本質的かつ有益な提案ができる点も特徴です。
システム導入や業務の見直しによる改善
課題解決の手段として、新規システムの導入や、それに合わせた業務設計の再構築も支援します。
WMSやTMS(輸送管理システム)、AIを用いた需要予測ツールなど、ITソリューションの選定から、導入、そして現場への運用定着までをサポートします。
システムを導入する際には、現場の作業との整合性や利用する担当者のITリテラシーを考慮し、現実的で継続可能な設計を行うことを意識しなければなりません。
システムが最大限の効果を発揮できるように、業務手順の再検討や、PDCAサイクルによる改善活動の定着化など、システム面と業務面の両方から物流コンサルティングのサポートが提供されています。
体制構築や整理
効率的な物流体制を維持していくためには、システムやルールだけでなく、「人」に関する要素も不可欠です。
コンサルティング会社は、最適な組織体制の構築に加え、管理層から現場スタッフまでの人材育成を支援します。
管理層に対してはKPIを用いた管理手法やコスト意識の強化、現場スタッフに対しては作業手順の標準化や研修の設計が主な取り組みです。
近年は、特定の個人に業務が集中する属人化のリスクを減らす目的で、スキルを可視化したり、多能工化を進める取り組みも広がっています。
現状分析から改善策の立案、システム導入、運用体制の整備まで多岐にわたる実行支援を行う
第三者の立場でデータに基づき、組織のしがらみにとらわれない本質的な提案ができる
おすすめの物流コンサルティング会社5選比較表
| イメージ | 引用元:https://www.str-106.jp/ | 引用元:https://www.nx-soken.co.jp/ | 引用元:https://www.f-logi.com/ | 引用元:https://logicreate.co.jp/ | 引用元:https://seaos.co.jp/ |
| 会社名 | エスティーアール株式会社 | 株式会社NX総合研究 | 船井総研ロジ株式会社 | 株式会社ロジクリエイト | シーオス株式会社 |
| 専門分野 | ・現場ノウハウに基づく改善提案 ・倉庫運営支援 ・物流コスト削減 | ・物流戦略立案 ・サプライチェーン最適化 | ・物流効率化 ・DX推進 ・ESG経営支援 | ・倉庫運営改善 ・在庫管理 ・人材育成 | ・物流DX/AI/IoT活用 ・システム導入支援 |
| サポート体制 | 中小企業から大手まで、丁寧かつ小回りの利いた対応 | 大手企業から官公庁向けの包括的対応 | チーム体制で幅広く対応 | 現場改善に即した中小~中堅企業対応 | 大規模体制 |
| 現場ノウハウの豊富さ (倉庫・物流サービス運用有無) | |||||
| 詳細リンク | 詳細はこちら | 詳細はこちら | 詳細はこちら | 詳細はこちら | 詳細はこちら |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら | 公式サイトはこちら | 公式サイトはこちら | 公式サイトはこちら | 公式サイトはこちら |
物流コンサルティング会社おすすめ5選
エスティーアール株式会社
おすすめポイント
-
全国対応ネットワーク
-
倉庫レイアウト改善に強い
-
中小企業の細かい要望に対応可能
倉庫・物流サービスも行うため、現場の目線で提案が可能!
基本情報
| 会社名 | エスティーアール株式会社 |
|---|---|
| 専門分野 | ・現場ノウハウに基づく改善提案 ・倉庫運営支援 ・物流コスト削減 |
| サポート体制 | 中小企業から大手まで、丁寧かつ小回りの利いた対応 |
| 現場ノウハウの豊富さ (倉庫・物流サービス運用有無) | 〇 |
| 拠点所在地 | 千葉県成田市三里塚光ヶ丘1丁目429番 三里塚光ヶ丘倉庫A棟104号 |
| 設立年 | 2016年10月 |
株式会社NX総合研究所
おすすめポイント
-
60年以上の歴史に裏打ちされた、圧倒的なノウハウの蓄積
-
実績豊富な「50名以上のエキスパート集団」
-
豊富な実績と大規模なリソース 年間で200件以上の支援
データ分析に基づいた論理的アプローチで安心感
基本情報
| 会社名 | 株式会社NX総合研究所 |
|---|---|
| 専門分野 | ・物流戦略立案 ・サプライチェーン最適化 |
| サポート体制 | 大手企業から官公庁向けの包括的対応 |
| 現場ノウハウの豊富さ (倉庫・物流サービス運用有無) | 〇 |
| 拠点所在地 | 東京都千代田区神田和泉町2番地 |
| 設立年 | 1961年3月 |
船井総研ロジ株式会社
おすすめポイント
-
DX・デジタル化によるコスト抑制
-
持続可能なESG経営の実現サポート
-
戦略から実行までを一貫サポート
荷主・物流の双方を支援できる第三者視点のソリューション提供
基本情報
| 会社名 | 船井総研ロジ株式会社 |
|---|---|
| 専門分野 | ・物流効率化 ・DX推進 ・ESG経営支援 |
| サポート体制 | チーム体制で幅広く対応 |
| 現場ノウハウの豊富さ (倉庫・物流サービス運用有無) | 〇 |
| 拠点所在地 | 東京都中央区八重洲2丁目2番1号 東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー 35階 |
| 設立年 | 2000年5月 |
株式会社ロジクリエイト
おすすめポイント
-
全体設計エンジニアリング力に基づいた、コスト削減・収支改善の実現ノウハウ
-
現場経験と技術力を活かした、品質向上につながる具体的提案
-
幅広い支援実績
物流センター構築やコスト削減に実績豊富
基本情報
| 会社名 | 株式会社ロジクリエイト |
|---|---|
| 専門分野 | ・コスト削減ノウハウ ・品質向上の具体的提案 ・幅広い支援実績 |
| サポート体制 | 現場改善に即した中小~中堅企業対応 |
| 現場ノウハウの豊富さ (倉庫・物流サービス運用有無) | 記載なし |
| 拠点所在地 | 東京都江戸川区船堀3丁目7番13号 ヴァンテアンビル5階A |
| 設立年 | 2015年6月 |
物流コンサルティングについて
よくある物流課題と解決の方向性

物流業務では、さまざまな要因から複数の課題が同時に発生しており、それらが企業の収益や競争力に直接的な影響を与えます。たとえば、人手不足が原因でヒューマンエラーが起きやすくなったり、特定の作業員に業務が集中する属人化の問題が生じます。
また、在庫の正確な把握や棚卸し作業の効率化も、ひとつの大きな課題として挙げられます。これらの問題の具体的な内容と、物流コンサルティングを通じて見えてくる解決の方向性を解説します。
ヒューマンエラーと属人化の問題
物流業界全体で人手不足が続いていることから、多くの事業者が倉庫での作業を最低限の人数で回しているという現状があります。
そのためとくに繁忙期は各作業員の負担が増加し、荷物の数え間違いやピッキングミス、ロケーションの不一致といった人為的なミスが起きやすい環境となってしまいます。
またダブルチェックなどの複数人による相互チェックが十分にできない状況では、結果として売り上げの機会を失うことにもつながり、大きな問題となる可能性があります。
このような課題を解決するためには、倉庫管理システムの導入などにより人の手で行う部分とシステムが行う部分を棲み分けることで、ミスを減らすことにつながるでしょう。
人員不足と労働環境の制約
深刻な人員不足は、物流現場に新たな問題を引き起こす原因となっています。倉庫での作業は、商品の特性や在庫の状況、取引先ごとの梱包方法や作業のタイミングなど、多様な情報を習得することが求められます。
しかし、スタッフの人数が不足していることで時間がかかってしまい、さらに一人ひとりへの負担が大きくなることでミスが発生しやすくなる可能性もあります。
また、新人がスムーズに倉庫作業を行えるようになるまでにはある程度の時間がかかり、その間にベテランスタッフたちの働き方に制約が出てしまう可能性があるため、このような作業上の課題を解決するには、勤務年数に関わらず対応できるマニュアルの制定や教育体制の確立、業務のシステム化が求められます。
在庫管理と棚卸しの非効率
倉庫には非常に多くの商品が保管されており、それぞれの製造日や入出荷のタイミングといったさまざまな情報の管理が重要になります。
在庫を必要以上に抱えることはコストの増加につながり、反対に繁忙期に欠品が発生すると売り上げに悪影響を及ぼすため、つねに最適な在庫数を維持することが求められます。
また、倉庫で行う棚卸し作業も、手間と時間がかかる課題のひとつです。たとえば、多くの事業者がExcelで在庫情報を管理していますが、大量で複雑なデータ処理が困難なうえ、入力ミスやタイムラグのリスクがあります。
データと実際の在庫数に不一致が生じた場合、過去の誤りをさかのぼって確認し、修正する必要があるため、非効率的です。こうした課題を解決するためには、現在のシステムの見直しと新たなシステムの導入が効果的でしょう。各現場に適したシステムの提案や、効率化できる部分の可視化も物流コンサルティングが提案する範囲です。
倉庫スペース不足とレイアウトの最適化
企業の成長に伴い物量が増加すると、倉庫内のスペース不足が大きな課題となり、とくにレイアウトにまったく余裕がない状態では柔軟に対応できず、結果として倉庫内が混乱する原因となります。
そのままでは、将来的な物流の変動に対する対応力が失われてしまうため、余剰スペースを確保することが求められます。
具体的には、計画の段階で意図的に空きスペースを設けておくことで、急な物量の増加にもスムーズに対応できるようになります。現在のスペースの使い方を把握し、無駄なスペースをなくすためのレイアウトの最適化の提案も、物流コンサルティングが対応する範囲です。
人手不足や属人化によるヒューマンエラーの増加にはマニュアルの整備やシステム化で対応
倉庫内のレイアウトを最適化しておくことで、物量変動などに柔軟に対応できる
物流コンサルティング会社を選ぶときに最も重視するポイントは?Webアンケートで調査!
企業が物流改善や業務効率化を進める際、どの物流コンサルティング会社に依頼すべきかは非常に重要な判断材料になります。
物流コンサルティング会社を選ぶ際に重視されるのは、提案力・費用対効果・サポート体制などです。 物流の課題は業種や企業規模によって大きく異なるため、重視される項目もさまざまです。
そこで当サイトでは、物流コンサルティング会社を選んだ方へWebアンケート(合計2,173回答) を実施し、選定時に重視されたポイントを調査しました。
これからコンサルティング会社の比較検討を行う方は、ぜひ参考にしてみてください。

第1位:料金の妥当性(コストパフォーマンス)(21%)
最も重視されたのは、費用に見合う成果が得られるかという点でした。
初期費用・ランニングコストに対する不安から、 追加費用が発生しにくいか、投資対効果が示されているかなど、 コストパフォーマンスの明確さが選定基準になっています。
リアルな声も多く、費用面の納得感はコンサルティング選びにおいて大きな比重を占めていることがわかります。
第2位:サポート体制(15%)
並走してくれる姿勢があるかどうか。
物流改善は現場〜管理部門まで関係者が多いため、対応の早さやフォロー体制が整っているかが重視ポイントです。
特に複数拠点を持つ企業では、担当者の連携や現場フォローの質が、改善の定着に大きく影響すると考えられます。
第3位:提案力・課題解決力、実績・事例の多さ(13%)
机上の理論ではなく、実務に落とし込める提案かどうか。
企業ごとに異なる物流課題に対し、 どれだけ現実的で具体的な解決策を示せるかが評価されていました。
特に複雑な業務を抱える企業ほど、 現場を踏まえた正確な課題抽出、データに基づく改善策、そして実装フェーズまでの導線設計といった「実務に落とし込める提案力」を重視する傾向があります。
また、事例紹介が充実している企業ほど信頼されやすく、改善効果の再現性を見極めるうえでも重要な指標となっています。
第5〜8位:全国対応・削減提案の具体性・相談のしやすさ・契約の柔軟性
任せやすさを左右する総合力が重視される傾向があります。
全国対応できるネットワークや、 削減効果を数字で示してくれる具体性、 担当者とのコミュニケーションのしやすさ、 スポット・月額・成果報酬など柔軟な契約形態が長期的に安心して任せられるかどうかの判断材料となっていました。
まとめ
調査結果から、物流コンサルティング会社を選ぶ際は 料金(費用対効果)・サポート体制・実績・提案力 が特に重要視されることがわかりました。
一方で、費用はどれくらいが妥当なのか、相場より高いのか安いのかといった「料金面」への疑問を抱く企業も多くあります。
そこで次の項目では、 物流コンサルティングの料金相場と費用対効果・削減方法 をわかりやすく解説します。
物流コンサルティングの料金相場と費用対効果・削減方法

物流コンサルティングの利用を検討する際に、とくに気になるのが費用対効果です。物流部門はコストセンターという性質を持つ部門でため、明確なコスト削減効果が見えない限り、企業としての投資意欲を持ちにくいという背景があります。
ここでは、コンサルティングの費用相場や、その効果、そして費用を抑えるための具体的な方法について解説します。
コンサルティング規模別の費用感
オペレーションの改善のみの場合は1か月程度の稼働で改善できるケースもありますが、ITシステムの導入などが関わる案件の場合は、数か月の稼働を見込んでおく必要があります。
これは、プロジェクトの難易度が高く、複数のステップを踏む必要があるためです。
その料金は、期間の長さに加えてコンサルティング会社の規模によっても異なります。たとえば、個人コンサルタンとに依頼した場合、月額100万円からが目安です。
費用は抑えられますが、万が一経験の浅いコンサルタントに当たった場合、期待した効果が得られないことがあります。
小規模コンサルティング会社は月額200万円からが相場となり、会社としてのサポートが期待できますが、コンサルタントとの巡り合わせに結果が左右される可能性があります。
さらに規模の大きな中堅コンサルティング会社は月額400万円からが相場となり、会社としてのサポートが期待できるようになります。
大手コンサルティング会社は月額600万円からが相場となり、信頼感や実績は抜群で実力のあるコンサルタントも多数在籍していますが、費用が高くなるうえに、小規模な案件では費用対効果が得づらい可能性があります。
物流コンサルティングの費用対効果は出るのか
結論からいえば、物流コンサルティング会社に依頼した場合、費用対効果は期待できるでしょう。
しかし、その効果を評価するうえで重要なのは、「期待する効果の適切さ」と「期待する効果の事前定義」の2つを押さえておくことです。
まず、期待する効果の適切さについてです。物流コストはおもに輸送費、保管費、荷役費、その他管理費の4つに分けられ、ひとつの改善施策が複数のコストに影響を及ぼすことがあります。
たとえば、倉庫のオペレーション改善が保管効率を上げたとしても、荷役費や人件費は逆に上がる可能性もあります。このため、どのコストに、どの程度の効果を期待するのが適切なのかを事前にコンサルタントとすり合わせることが重要です。
次に、期待する効果の事前定義についてです。費用対効果が出ないと評価されるケースのほとんどは、クライアント側とコンサルタント側で期待する効果の調整ができていないことで起こります。
コンサルタントに依頼する際に、どれくらいの効果を期待しているかという目標を事前にしっかり確認し合うことで、認識の違いによる費用対効果のロスを避けられます。
費用削減方法
物流コンサルティングの費用を削減する方法は、おもに3つあります。
稼働率を調整
ひとつめは、稼働率を調整することです。コンサルタントは稼働率という考え方を持っており、フルコミットを100%として、50%や80%などに稼働を調整することで、費用をコントロールできます。
たとえば、月額200万円のコンサルタントでも、50%稼働にすれば100万円で依頼が可能です。
ニーズに合った会社に依頼
2つめは、ニーズに合った物流コンサルティング会社に依頼することです。物流コンサルタントと一言でいっても、「倉庫のオペレーション改善に強い」「システム導入に強い」など、さまざまな特色があります。ニーズに合わない企業に依頼すると、結果としてアウトプットの質が低く、手戻りが増えることでコストが高くなるため、事前の情報収集が肝心となります。
依頼するべき部分を絞る
3つめは、依頼するべき部分を自社で検討して絞ることです。コンサルタントに依頼する範囲が大きくなるほど、費用は必然的に上がります。
たとえば、システム導入のフローにおいて、「現状分析からTo-Be像の策定までを依頼し、その後の提案依頼書(RFP)作成は自社で行う」など、自社で対応可能な範囲を適切に見極めて依頼範囲を明確にすることが、コストの低減につながるでしょう。
コンサルティング費用は企業の規模や案件の複雑性によりさまざま
コンサルタントの稼働率を調整することや、自社のニーズに合った得意分野を持つ企業を選ぶことで費用を削減できる可能性がある
物流コンサルティング導入の注意点

物流コンサルティングの導入は、企業の変革を加速させる有効な手段となり得ます。しかし、その決断自体は間違いではないとしても、「高額な費用に見合う成果が得られなかった」「プロジェクト終了後に元の状態に戻ってしまった」といった失敗談が後を絶たないのも事実です。
これらの失敗は、さまざまな要因で発生しますが、その多くはコンサルタントとの付き合い方や導入時のスタンスに原因があります。ここでは、企業がとくに陥りやすい失敗パターンと、導入時に注意すべきポイントをご紹介します。
目的・ゴールを曖昧にしたまま導入しない
物流コンサルティングを導入するうえで、とくに注意すべき点は、導入目的の明確化です。目的が明確に設定されていない状態では、コンサルタントとの間でコミュニケーションが不十分になる可能性が高く、結果として効果的な改善策を見つけることが難しくなります。
成功に導くためには、コストを削減したい、納期を短縮したい、顧客満足度を向上させたいといった具体的な目的を。
目的やゴールが明確になっていると、それに向けた打ち合わせも行えるため、コンサルティングの稼働率も低減でき、最終的なコスト削減につながる可能性があります。
成果保証を過信しすぎない
コンサルタントからの提案や指導がすべて成功するという保証はないため、成果保証を過信しすぎないことも重要なポイントです。
市場環境の変化や社内の制約、提案された施策の実行の難しさなど、さまざまな要因によって、期待した成果が得られない場合もあります。
仮に成果報酬型の料金体系を選択したとしても、目標達成のための具体的なプロセスや結果について完全な保証を得ることは難しくなります。
このため、コンサルタントの選定やプロジェクトの設計段階で、リアルな目標設定を行い、成果に対する合理的な期待を持つことが、失敗を避けるために大切です。
コンサル任せにして社内が動かなくなるリスク
コンサルティング導入で失敗する企業にしばしば見られるケースとして、コンサルタントに対する「過度な依存」が挙げられます。
優秀なコンサルタントに任せれば問題はすべて解決し、社員も自然と動き出すだろうといった丸投げの姿勢は、組織の自律的な成長を阻むことにつながります。
また、この姿勢は社員ひとりひとりから当事者意識を奪い、組織自身が持つべき思考力や問題解決能力を削いでしまう可能性も高くなります。
結果として、社員は「どうせコンサルタントが決めること」と受身感を強めてしまい、コンサルタントから優れた提案がされても、真の変革にはつながらないリスクがあります。
現場を巻き込まずに進めると失敗する
物流コンサルティングに依頼しても、現場が置き去りになってしまっては期待以上の成果を引き出すことができません。
言葉にしにくい暗黙知と、コンサルタントの持つ専門知識と融合するためには、自社が現場で長年培ってきた知識や客観的な視点がぶつかり合い、融合することが欠かせません。
そのため、社員が受け身ではなく、主体的に議論に参加し、活気ある雰囲気の中で率直かつ建設的な意見交換ができる場が必要です。
逆に、互いの知恵と経験に敬意を払わない一方的な関係性では、そのような光は決して生まれません。相互扶助の関係を築き、現場を巻き込むことで、凝り固まった思考の壁が壊れ、新たな解決策を生み出すことができるのです。
契約内容が曖昧なまま進めない
コンサルティング会社やその担当者によって、対応できる範囲が異なることがあります。契約前に、どこまで対応してもらえるのか、どの範囲の契約なのかをしっかりと確認しないまま進めてしまうと、いざサポートが始まってから意識の齟齬が生まれてしまい、思ったような効果を得られない可能性があります。
そのため、最初の相談から自社が抱えている課題を明確にして伝え、どこまでサポートしてもらえるのか、契約内容としてどの範囲まで対応してもらえるのかをしっかりと確認しておきましょう。
また、追加で費用がかかる可能性があるケースなども事前に確認しておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。
小さく始めて効果を検証する
初めて依頼する物流コンサルティング会社の場合、どの程度のサポートをしてくれるのか、そしてそのサポートが本当に効果のあるものなのかを判断するのは難しいです。
そのため、一気にすべてを依頼するのではなく、まずは1つのステップのみを依頼するなど小さく始めて効果を検証することも大切なポイントです。
大きな改革を成功させるためにはまとめて依頼するべきだと考える方もいるかもしれませんが、小さなことでも解決に導くことができなければ、その施策が困難であると判断できます。
課題を解決するための手法や提案もコンサルティング会社によってさまざまなので、それを見極めるという意味でも、まずは小さな部分から依頼を検討してみてください。
目的・ゴールを曖昧にせず、また、成果が完全には保証されないことを前提とした合理的な目標設定が重要
コンサルタントへの過度な依存は組織の自律的な成長を阻害するため、現場の知恵を巻き込むことが大切
物流コンサルティング会社選びのポイント

自社の物流課題を解決し、変革を成功に導くためには、さまざまなコンサルティング会社のなかから、自社に最適なパートナーを選ぶことが重要です。
コンサルタントの得意な領域は、その人の経験によって大きく異なるため、選定するためにはそれを見極めなければなりません。ここでは、物流コンサルティング会社を依頼する際にチェックしたいポイントをご紹介します。
業界や業種に精通しているか
物流コンサルティング会社を選定する際に重視したいポイントとして、まず自社が属する業界に精通し、その領域での実績や長年の経験を持つ会社であるかどうかが挙げられます。
コンサルタントの得意な領域は、これまでの経験によって大きく異なるため、業界特有の事情や商習慣を理解しているかどうかが、提案される戦略や解決策の適切さに直結します。
業種や業界に精通しているかどうかは、これまでの実績などをチェックしたうえで、相談も踏まえて判断する必要があります。
より詳しい知識を持つコンサルティング会社に依頼することができれば、スピーディかつ効率的に課題を解決できるはずです。
自社の課題に合うかどうか
物流コンサルティングが対応する範囲は幅広いです。たとえ自社の業界経験があるコンサルティング会社であっても、企業ごとに抱える課題はさまざまであるため、個別の具体的な課題を解決できるかを確かめる必要があります。
こちらに関しても、選定するコンサルティング会社の過去の実績や評判を入念に調べて判断しましょう。
とくに、自社の依頼内容と似た課題に取り組んだ経験があるかどうかを確認することで、提案の実現性と確度を見極めることができます。
業務形態や料金体系が適しているか
どのような契約形態や料金体系を選択できるかという点も、物流コンサルティング会社選びで重視したい部分です。
料金体系では、継続的なアドバイスを求める場合は顧問契約を、短期的な課題解決を目指す場合は成果報酬型やプロジェクト型の選択が推奨されます。
また、3PL型や4PL型など、自社に適した業務形態であるかどうかも必ず確認してください。
物流領域は製造から販売までのプロセスが密接に関連し合っているため、ワンストップで課題を解決できるプロジェクト型のサービスを提供している会社を選ぶと、物事がスムーズに進みやすいでしょう。
技術対応力(IT・デジタル・DX)
物流の効率化はとくに最新のIT技術と不可分であり、選定するコンサルティング会社がデジタル・トランスフォーメーション(DX)への確かな対応力を持っているかもチェックしたいポイントです。
倉庫管理システム(WMS)やAI、IoTといったさまざまなテクノロジーを、自社の課題解決に適切に適用できる知識があれば、大きな革新を成功させられる可能性があります。
また、単に戦略を提案するだけでなく、技術的な実現可能性を踏まえた具体的なソリューションを選定・導入し、定着まで伴走してくれるかどうかも重要なポイントです。
この点についても実績や経験が重要であるため、これまでの対応事例などを参考に選定してみてください。
改善実行・運用支援の経験値
物流コンサルティングの真の価値は、戦略の提案にとどまらず、その改善策を現場で実行し、運用を定着させる能力にあります。
机上の理論ではなく、実際に現場を動かし、組織の変更や新しい仕組みへの移行をリードした経験がとくに求められます。
提案されたソリューションが、プロジェクト終了後も自社の力で持続的に運用され、成果を出し続けられるように、運用マニュアルの作成や人材の育成といった支援体制が整っているかを確かめましょう。
また、プロジェクトを通じて、自社内にノウハウが蓄積されるかどうかも重要であるため、その点も踏まえて、長期的にサポートできる体制が整っているかどうかもチェックしてみてください。
自社業界での実績、過去に似た課題に取り組んだ経験があるかをチェックしましょう。
DXや最新テクノロジーに対応できる確かな技術力がある企業であれば安心
まとめ|物流コンサルティングで最適なパートナーを見つけよう
物流コンサルティング会社は、自社の課題を解決し、現場の負担を軽減するために欠かせません。
数多くの物流コンサルティング会社がありますが、まずは自社と同じ業界に対応してきた実績があるかどうか、そして実際に相談して適切な対応をしてくれるかどうかを確認し、最適なパートナーを見つけましょう。
【FAQ】よくある質問
-
Q 物流コンサルティング会社に依頼すると、どんなサポートをしてもらえますか?A 物流コンサルティング会社では、倉庫や配送などの現場を分析し、コスト削減や作業効率化の仕組みづくりをサポートしてもらえます。
たとえば、倉庫内の動線改善や在庫管理の最適化、配送ルートの見直しなど、企業の課題に合わせて幅広く提案してくれます。社内だけでは気づきにくい問題点を、専門家の視点から改善できるのが特徴です。 -
Q 物流コンサルティングはどんな会社に向いていますか?A 物流コンサルティングは、コストや作業効率に課題を感じている企業におすすめです。たとえば、出荷量の増加で現場が追いつかない、ミスが多い、システムが古く管理が大変…といった悩みを抱えている場合に効果的です。
また、拠点を増やすタイミングや、新しいシステムを導入したいときにも相談することで、ムダのない設計ができます。 -
Q 会社ごとに何が違うのですか?選ぶときのポイントは?A 物流コンサルティング会社は、得意分野や支援の範囲が異なります。たとえば、現場改善に強い会社、ITシステム導入に強い会社、戦略立案や業務設計を得意とする会社などがあります。
比較サイトでは、対応範囲や実績、料金、得意業界などをまとめて紹介しているので、自社の課題に合う会社を探しやすくなっています。 -
Q 費用はどのくらいかかりますか?A 物流コンサルティングの費用は、依頼内容や企業の規模によって大きく異なります。初期診断のみなら数十万円ほど、倉庫設計やシステム導入を含む場合は数百万円〜になることもあります。
ただし、多くの会社では初回相談や現状分析を無料で行っているため、まずは気軽に相談してみるのがおすすめです。
【PR】現場ノウハウで課題解決!物流コンサルなら「エスティーアール」
https://www.str-106.jp/
物流コンサルティング関連コラム
-
倉庫レイアウトとは?基本の設計と最適化のポイント解説
-
WMS 物流入門|基本機能と導入メリット、比較のポイント
-
3PL 物流入門|倉庫業との違いから選び方・注意点まで網羅
-
物流コスト最適化の基礎知識と削減のための実践方法
-
配送ルート最適化で効率アップ|改善の手法と注意点
-
在庫管理改善の基礎知識|課題解決の手法と注意点まとめ
-
物流DXとは?業界課題の解決策とワークフロー導入のポイント
-
物流コンサルティングとは?初心者にもわかりやすいサービス内容と役割を解説
-
ピッキング効率化とは?作業改善のコツとシステム導入ガイド
-
物流効率化とは?業務改善とコスト削減を実現する方法
-
物流2024年問題とは?背景・影響・企業が今やるべき対策を徹底解説




